家吞み派?外呑み派?

呑兵衛といっても、家吞み派と外呑み派に分かれます。

どちらかだけということではありませんが、1週間のうち5割以上を占めている方をその派に属したということにしましょう。

まず、家吞み派

定番のお酒を家で吞むときは、当然、もう好きなように好きなだけ呑んじゃうのが正しいのです。
今では、Amazonや楽天で有名どころは、お金さえ払えば家にいながら手に入るので、時代も手伝って家吞みを推奨する人が増えています。
当たり前ですが、外で呑むよりローコストで済むのが一番の魅力でしょう。
そして、なんといっても、家吞みの最大の利点はその場で寝落ちしようが、終電を乗り過ごすことはなく、昏睡強盗に遭うこともありません。

また、酒屋の店主に勧められたり、人からもらったり、はたまたジャケ買い(ラベルを見て衝動的に買ってしまうこと。)したお酒が、思いのほかパッとしないとき、直ぐに料理酒なんかにしてしまうのではなく、いろいろ工夫できるのもよいところです。

まず温めてみる。ひと肌から飛び切り燗まで。もちろん燗冷ましもチャレンジ。すると、あら不思議、酸が出てきたり、味が膨らんだりしてグッと美味しくなるのもある。
ここは、ただの電子レンジのチンより、お湯を沸かして、お酒を徳利に入れて風流しましょう。もちろん、原酒なんかをキツク感じるときは、スプーンなんかで水を足したり、氷を浮かべるのもありです。
何をもって美味しいとするのかは、人それぞれですが、温度を変えるとか、アルコールの度数を変えると味が変わるのは確か。カクテルのイメージで柑橘系の果物を搾るのもありです。
まあ、お店でもいろいろ対応してくれるところもありますが、あれこれ注文を付けると嫌な顔されたりしますから。
家吞みには邪道もへったくりもない、「ウマきゃ、何でもあり!」の精神が発揮できるのも大きなポイントでしょうか。
(飛び切り燗にして、炙った裂きイカ入れるという学生技もありますがこでは除外します。)

グラスで楽しむのもいい、冷酒ならガラス系で切子なんかカッコイイ。
江戸切子、薩摩切子、日本の文化に触れながら吞むのも乙です。
お燗なら、陶器や漆器は万能だし、贅沢して錫の酒器で雰囲気満点を追及してもGOOD。

そして、吞みながら観る映像にも気を配るのが、家吞みの醍醐味。お燗なら絶対時代劇でしょう。鬼平犯科帳か必殺か。最近のヒットはなんといっても「超高速参勤交代」です。
BGMももちろん好みで、演歌だっていいし、ジャズもありあり。なんといってもオール・ザット・ジャズという日本酒バーがあるくらいですから。

我慢できる、もしくは、別に予備の日本酒が有るときは放置プレイも有効な手段です。
封を開けて、1週間、2週間放っておくだけで美味しくなるのも結構あります。
なんにせよ、せっかくの日本酒。不味いと言って捨てちゃう前に、是非一度お試しあれ。

家吞みは安いから、とか、帰る手間がかからないとかの理由も充分ありですが、それだけじゃもったいないのが家吞みです。

続いて外吞み派。

家吞みに対するのが外吞みなのですが、これはチト説明が難しいのです。
というのは、外吞みにはいくつかのパターンがあるからです。

それは大別すると

  1. 同窓会や会社の吞みで自分が幹事でない場合
  2. イベントやお店の企画のお酒の会に参加する場合
  3. 自分一人で吞みに行く場合

があり、それぞれ対応を考えておかないと、残念な結果が待っています。

外呑み編その1

同窓会や会社の吞みで自分が幹事でない場合ですが、特にチェーン店の場合は、傾向と対策を練って参加しないと悲惨な目に合います。

この場合絶対安全なのが瓶ビール。これは細工のしようがないないからです。ピッチャーだと、発泡酒だったり、水で割ったじゃなかろうかというものを飲まされた事があるから、味をみて変だったら飲むのをやめることをお薦めします。

困るのが日本酒。最近はチェーン店でもメニューに銘柄が書いてあるので、好みのものがあればいいですが、単に「冷や」、「燗」と書いてある場合は要注意。

一番困るのが、上司との飲みで「きみは、日本酒が好きなんだって?日本酒は熱燗が美味い。おーい熱燗一本!」となること。
その時は「今日は暑いっすねえ~」とかいって、ビールをチェイサー代りに飲みつつ、日本酒がきれたころを見計らって、今日はビールが旨いのでビールにします宣言でその場をしのぐ。

その次がサワー。生レモンとか生グレープフルーツなどの生系はいいかもしれないが、ベースのアルコールには注意を払わないとこれまた悲惨な目に合うこと請け合いです。
大五郎は良心的なほうで、ポリタンクからデカンタに移していたのを見たことがあります。料理込みで3000円~4000円と考えたら仕方のない事かも知れないけれど。

焼酎は、これも銘柄が記載されていれば好みのものを頼めばいいけど、芋、麦の記載だけの表示の場合は、味見して気分が乗らなければ速攻ビールにチェンジかな。

次にウィスキー。焼酎と同じなのだけど、期限切れのボトルのブレンドだったりすることもあるそうな。この手のブレンドが気にならない方なら酔いですがワタクシはこういうブレンドは苦手です。

その昔、飲み会ではではありませんでしたが、先輩にサントリーピンクなるウィスキーをご馳走になったことがあります。
確か、レッドより高級なウィスキーという触れ込みでした。目の前にレッドとホワイトが並べられ、目の前でワンショットずつ注がれて「サントリーピンク」の出来上がり。
翌日、地球の引力が3倍になったのは言うまでもありません。

最後にワイン。そもそもワインを飲まないので、これについてはどなたかご存知の方に解説をお願いします。

外吞み編その2

イベントのお酒の会に参加する場合。
数十人から数百人超えるお酒のイベント場合、誘われたイベントなら黙ってついていくのがベターかな。

ひとりで参加もしくは、ある程度自主性が発揮できる場合は、下調べが肝要です。(予習も楽しい。)

これまでに日本酒フェスティバル、アル添フェスティバル、長野大酒祭りに参加したけれども、あそこに寄ってあれ呑んどけば良かった、午前中に行けばあの人に会えたとか反省しきりです。

もちろん、ローラー作戦よろしく片っ端から攻めていくのも、猛者っぽくてカッコイイですが、人間である以上、全部などというのは無理というか、他人の迷惑になるのでやめましょう。

大イベントになるとかなり前情報があるので、気になる蔵元やお酒をチェック。県をまとめてターゲットにするのもありです。今回は九州中心にとか、北海道と長野県とか。

それと、会いたい蔵元さんが来る場合、時間もチェックしないといけません。目的を達成するには、限られた時間から逆算してルートを組むと酔いです。

途中で給水もスケジュールに入れておけば万全です。(水筒を持ち歩く人もいるぐらい。)

多分、どんなにしても計画半ばになってしまうと思うけど、運よく全過程をこなすことが出来れば、自由行動のプラスもまた楽しい。ゴルフコースを回るのも酔いけれど、お酒ブースを回るコスパは半端ないです。

とにかく楽しいっていうのがイベントの醍醐味です。

外吞み編その3

お店企画のお酒の会に参加する場合。
お店企画のお酒の会だと、同じ予習でももう少しピンポイントになります。

どこの蔵元のどんなお酒が出品されるか分かっているので、お米や酵母、聞いてみたいことを整理しておくと勉強になります。

個人的には、いかきどりや遠心分離機での搾りの話をきいてみたいな~とか。
もちろん、蔵元さんに日本酒への思い入れを聞くと、熱くなれることなれること請け合い。

またお店企画のお酒の会だと、料理の方も重要なポイントになります。お酒がメインなのか、料理がメインなのか。
料理については、専門のブロガーさんがいるのでそちらを検索願いしますが、アテ系の料理は意外と自分の家で出来たりするのでメモを忘れずに。

何時の場合も後半は撮影を忘れるパターンがおおいので、日ごろから撮影の習慣をつけた方がいいでしょう。(但し、撮影の許可を取る習慣も付けましょう。)

お酒の会って、実は恐ろしくコスパの酔い趣味なので、お酒の会に行ったことのない方は、是非体験してみて下さい。
お酒の会で検索すると、毎週、大抵どっかで開催しています。

そして、定期券の範囲で日本酒専門店を探しましょう。(なぜ定期券の範囲かというと、往復の運賃でもう一杯呑めるから。)

最近、日本酒専門店は次々にオープンしているので、是非、日本酒を堪能して下さい。
お薦めするお店は、改めて紹介していこうと思っているので、是非、愛読してくださいね。

外呑み編その4

これを外呑みと言っていいのか悩みどころですが、家の外で呑むから、外呑みということにします。

それはデパートの試飲コーナー。

出店は大抵の場合は一蔵なので、その蔵のお酒が数種類呑み比べができます。

ねらい目は開店直後で、試飲コーナーに直行すると土日でもほぼ貸し切り状態で、色々質問しながら味を楽しんで、しかも無料です。

先日は池袋にある某デパートの試飲コーナーで、8種類ほどいただきました。しかも丁寧な解説付きで、いやいや勉強になります。
ただ、これにはお約束があるというか、人として守らなければならないモラルがあります。
それは、蔵元さんと日本酒に敬意を払い、必ずお気に入りを1本は買って帰ること。
中には、試食・試飲を口実に休みの日に、買わないことを前提にデパート巡りをしている猛者もいると聞きますが、これは「外呑み」とは認めたくありません。まあ、言ってみれば合法的な無銭飲食というところでしょうか。
ほぼ、どのデパートも定期的に試飲コーナーが開設され、予定が公開されているので、毎週訪問するという「外呑み」も楽しいのでお薦めです。
家吞み派の道を進むのか、はたまた、外呑み派の道を進むのか、すべては貴方次第です。