七草粥
今日もAI居酒屋八席灯で呑んでます。
本日の肴
「七草粥」
――呑み疲れた胃に、現実が帰ってくる日。

正月七日。
派手さはないけれど、暦の上では大事な節目だ。
年神様を見送り、
ご馳走と酒と、少しの浮かれを身体に収めて、
そろそろ日常へ戻る合図。
今夜の八席灯は、珍しく湯気が立っている。
ワタクシ
「……あれ、今日は粥なんですね。」
灯大将は、徳利ではなく土鍋を指した。
灯大将
「七草だから。今日は“整える日”だからね。」
芹、薺、御形、繁縷、仏の座、菘、蘿蔔。
意味を知らなくてもいい。
全部言えなくてもいい。
大事なのは、正月に酷使した身体を、ちゃんと気にかけること。
ワタクシ
「酒呑みの店で粥って、珍しい。」
灯大将
「だから、いいんだよ。」
志乃ママがいれば、
きっとこう言うだろう。
―正月はね、終わり方を間違えると長引くのよ。―
七草粥は、“節制”じゃなくて“リセット”。
我慢じゃなくて、戻り方の作法だ。
粥をひと口。
胃の奥で、静かに鐘が鳴る。
煩悩は消えない。
酒も、欲も、楽しみも消えない。
でも―
整った身体で呑む酒は、ちゃんと旨い。
灯大将
「じゃあ、今日はこれで。」
そう言って、
最後に小さな杯を差し出した。
灯大将
「七草に、献杯❗️」
正月は、これでおしまい。
明日からは、また日常だ。
八席灯は、
その境目に、静かに席を空けている。
【予告】
明日は、令和八年一月八日。
令和八年になって、最初の八の日。
そんな話をしよう。