普通酒って何?
今夜も、AI居酒屋八席灯で呑んでいます。
今日の肴―普通酒ってなに?

吟醸酒は、分かりやすい。
香りが立ち、言葉にもしやすい。
「華やか」「フルーティ」「きれい」――初見の人にも届く語彙が揃っている。 だからこそ、ここで一度、グラスを置きたい。
次に語るべきは、普通酒だ。
普通酒という名前が、あまりにも損をしている。
並。下。廉価版。
そう思われがちだが、実態はまるで違う。
普通酒は「手抜き」ではない。
思想の省略がない酒だ。
ここで線引きの話をすると、普通酒とは本醸造・吟醸(純米含む)・大吟醸(純米含む)以外の日本酒をざっくり呼ぶ名前だ。
だが、米の旨み、水の輪郭、蔵の癖――
それらを“飾らずに出す”という選択をした結果が、普通酒であることは多い。
派手な香りはない。
だが、二口目から静かに語り始める。
燗をつければ味わいがふくらみ、冷やせば輪郭が戻る。
料理に寄り添い、会話を邪魔しない。
和食だけでなく、洋食や軽いおつまみにもよく合う。
二日かけて呑める酒、という言い方がある。
それは「劣化しない」という意味ではなく、付き合い続けられるという意味だ。
吟醸が「一夜の主役」だとしたら、
普通酒は「常連」だ。
名前は地味だが、席を空けない。
黙ってそこに居続ける。
酒を知る、というのは高い酒を呑むことじゃない。
戻ってこられる酒を知ることだ。
だから次は、普通酒の話をしよう。
派手じゃない。
だが、逃げ場のない美味さについて。
次回予告
普通酒の実力と、隠れた多様性。