八剣伝武蔵関店その2

今日も今日とて八剣伝武蔵関店

本日の肴―裏メニューという異世界

「……で? 今日は何飲むんですか?」
ワタクシ
「まずは定番からいきますか。キンミヤ、ホッピー白で」

「それ、前は裏だったって噂の?」
ワタクシ
「今は正式メニューだよ。」

白ホッピーの向こう、棚の奥ではフィギュアたちが無言でこちらを見ている。


「でもさ、チェーン店でここまで自由にやれるものなんですか?」
ワタクシ
「いいんだよ。ここは“アナザ・ワールド八剣伝”なので」
ここで、もう一つの盃が出てくる。
店のPB日本酒。


「春日狂想…PB?」
ワタクシ
「プライベートブランド。居酒屋が自分の酒を持つ時点で、だいぶオタクだよ。」

「戦隊で言うと、武器が専用装備になる段階ですね。」
まずは一口。

「普通に、いや普通以上に旨いな」
ワタクシ
「変に尖らせてない。食わせる酒だろ?」
すると、カウンター越しに声がかかる。
店長
「広島焼き、作りましょうか。細麺で、今日はお客さんも少ないから、大サービス❤」

「……メニューにありました?」
ワタクシ
「ないよ。裏だ。」

鉄板の音。
細麺が踊る。


「カロリー、高そうだな」

ワタクシ
「こういう店では、それは褒め言葉たよ」

さらに追い打ち。
シャケおにぎりに、ワカメ混ぜ。

ホタテ串、醤油バター焼き。


「魔改造だな」
ワタクシ
「魔改造酒場、爆誕です」

「フィギュアだけじゃなく、料理まで裏に回るとは」
ワタクシ
「表はチェーン、裏は店長の趣味。
 この二重構造が一番危ない」
暖簾が、また揺れた。

「……一部で“序章”って言ってた意味、分かった」
ワタクシ
「まだ、終わらんよ。」

次回予告
フィギュア酒場よ何処へ行く。

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