八剣伝武蔵関店その3
今日も今日とて八剣伝武蔵関店で呑んでます。
本日の肴―展示物という名の無法地帯
(八剣伝武蔵関店その1 |國酒でお清め 、八剣伝武蔵関店その2 |國酒でお清めを参照してね。)

風
「……ちょっと待って」
ワタクシ
「どうした?」
風
「バイクが多すぎる」
改めて棚を見る。
初代サイクロン。
二代目……いや三代目か?
そして、昭和バイク乗りの憧れ――マッハⅢ。
風
「これさ……フィギュア酒場っていうか、
半分、昭和資料館じゃない?」
ワタクシ
「しかもチェーン店でこれやっちゃう。」
風
「一番やっちゃいけない組み合わせだな」
視線をずらすと、今度は特撮ゾーン。
ウルトラマン。
ゴジラ。
ロボコン号。
はに丸くん。
風
「情緒がジェットコースターだ」
ワタクシ
「落差で酔わせに来てます」
さらに奥。
ピカチュウ。
ゴールドライタン。
ソフビの群れ。
風
「可愛い系も容赦なく混ざってくるのか……」
ワタクシ
「節操は二部で置いてきました」
すると、異物感のある存在が目に入る。
デロリアン。
しかも、
ルパン三世仕様のメルセデス・ベンツ。
風
「ルパン来たか……」
ワタクシ
「逃走用だ」
風
「逃げ場が多すぎる居酒屋だ」
さらに続く。
キレンジャー。
アオレンジャー。
風
「……あ」
ワタクシ
「分かりました?」
風
「カレーの文脈だ」
ワタクシ
「分かる人だけがニヤッとするやつです」
その横には、ミリタリー。
F104。
陸軍一式。
風
「ごめん、これは分からん」
ワタクシ
「それでいいです」
風
「というかさ……」
ワタクシ
「はい」
風
「これ、居酒屋さん⁉️」
暖簾の向こうで、グラスの音が鳴る。
誰も説明しない。
誰も止めない。
ワタクシ
「展示物も、酒の肴です」
風
「胃袋だけじゃなく、記憶まで酔わせに来てるな」
この店、まだ切り札を隠していることを、
ワタクシたちはこの時点では知らない。
次回予告
フィギュア酒場、最終形態へ。
続く。