濁酒本舗1周年記念の日
去年の話で今更だけど、ワタクシの愛する濁酒本舗 が昨年開店一周年をを迎えた。
そこでワタクシは、灯大将を誘ってお祝いに出かけた時の話だ。
令和25年12月1日。
濁酒本舗 一周年。
ワタクシ(金城 醸)は、
その日、灯大将を連れて聖蹟桜ヶ丘に降り立った。
「ここですか。」
灯大将は看板を見上げて、そう言った。

派手さはないが、
酒呑みには一目で分かる匂いがする。
戸を開けると、
まず声が飛んできた。
「いらっしゃいませぇ〜」
女将、めろ〜さんだ。
相変わらずだ。
この一声で、店の空気が一段あたたまる。
その少し後ろから、
「こんにちわ。」
と顔を出したのが、生海(うみ)ちゃん。
昼はラーメン、夜は酒場。
この店の“発酵担当”みたいな存在だ。
「今日は一周年なんですよ。」
めろ〜さんが言う。
「それは、いい日に来ました。」
灯大将は静かに頷いた。
最初の一杯は祝い酒。—賀。

「まずは、これを。」
めろ〜さんが注ぐ。
灯大将は、盃を受け取り、
香りだけを一度、確かめた。
「ちゃんと、祝ってますね。」
それだけ言って、口をつけた。
お造りに前菜。


お酒は山形の銘酒か並ぶ。
鯉川の純米大吟醸。

亀の尾の純米大吟醸

小付け

生海ちゃんが、「これ、今すごくいいんです。」と、酒を運ぶ。
説明は多くない。でも、酒の順番が正しい。
秀鳳の新酒鑑評会用大吟醸。

東光雪女神。

灯大将が、ぽつりと漏らす。
「反則ですね。」
「でしょ?」
めろ〜さんが笑う。
角煮

大量の野菜アンド茸

そして三元豚のしゃぶしゃぶ〜。

「濁酒といえば—」
という合図のように出てくる、六歌仙シリーズ。

濃厚の五段仕込。

ここで羽陽錦爛

さらにお肉追加投入

〆は闇鳴秋水

灯大将は、最後の一杯を飲み終えてから言った。
「この店は、酒が主役じゃない。でも、酒が一番幸せな顔をしている。」
めろ〜さんは、
「最高の褒め言葉ですねぇ。」
と笑った。
生海ちゃんは、
「じゃあ、また来年も。」と、当たり前のように言った。
その言葉が、もう約束みたいに聞こえた。
帰り道、
ワタクシは灯大将に聞いた。
「どうでした?」
「ええ。」
「ちゃんと現実に、いい呑み屋が生き残る未来でした。」
濁酒本舗 一周年。
この夜は、酒と人と時間が、
いちばん綺麗に混ざった夜だった。