酒縁
宿縁という言葉があります。
本人の意思では、どうにもならない縁。 天命と言い換えてもいいかもしれません。
一番わかりやすいのが、血縁です。
誰と誰の子供として生まれるか、これは選べません。
次に地縁です。
どこで生まれるか。日本のどこかというより、別な国で生まれたかも知れません。
どの時代に生まれるかも大きな要因なので、私はどの時代に生まれるかも地縁に含めています。
それ以外にも宿縁があります。
例えば、出会ってしまう縁、知ってしまう縁。
宿縁自体に、良い悪いはないと思っています。
なぜなら、その後のご縁は自分の意志で選んでいけるからです。
このサイトを講読いただいている方は、よくご存じの酒縁ですが、これが分かりやすい。
一緒に呑んで美味しい、楽しいと思う人とは次も呑みに行きますが、一緒に呑んで不快な思いをした人とは、2度と呑みにいかないという選択ができるからです。
ある意味、結婚にも似ています。
出会って恋に落ちました。これは、出会ってしまう縁、知ってしまう縁。つまり宿縁です。でもその後、結婚するかしないかは当人の意思です。
酒縁酒場は私の造語ですが、主に日本酒専門店で起こる現象です。
ふと隣に座った人と酒談義で盛り上がるとか、常連さんの親戚が酒蔵の蔵人さんの同窓生だったとか、1か月に1度しか来ないお客さん同士が毎月あってしまうとか結構な頻度で発生します。
呑んでるだけで、どんどん幸せになりなります。
それが酒縁です。
酒縁を理解する人(呑兵衛のことです)の特徴は、ポジティブシンキングができる人が非常に多いと思います。
有名なコップの水テスト。
「コップに水が丁度半分入っています。貴方はコップに水が半分の入っていると思いますか?それとも水は半分しか入っていないと思いますか?」というやつです。
これは意味のない問いだと思います。
だって、喉が渇いている人に問うのと、そうでない人に問うのでは回答は異なるでしょう。
だけど、これがコップに入っているのが「お水」ではなくて、「十水」だったら、呑兵衛は間違いなく「半分も入っている。」答えると思います。
お酒は「百薬の長」とも「万病のもと」と言われますが、どちらかは貴方が選ぶことなのです。
趣縁、殊縁、種縁は数々あるけれど、酒縁に勝る縁はなし!