玉露

今日もAI居酒屋八席灯で呑んでいます。
……が、今夜も酒は出てこない。
本日の肴 玉露 ― 知ってから飲む茶

(写真は玉露のイメージです。)

ワタクシ
「なあ大将。正直に聞くけどさ。玉露って、何がそんなに違うんだ?」
灯大将は、少し笑ってから答えた。
灯大将
「いい質問だ。
 “玉露って何?”から始めないと、ありがたみは分からない。」

玉露とは何か
玉露は、茶の種類というより、育て方の名前だ。
収穫前、茶畑を藁や黒い覆いで覆い、日光を遮る。
そうすると、茶葉はこうなる。
苦味のもとになるカテキンが増えない。
旨味成分(テアニン)が減らない。
香りが、青臭さより甘みに寄る。
つまり、苦くならず、旨味だけが残る。

ワタクシ
「へぇ……。わざと光を当てないのか。」
灯大将
「そう。自然に逆らう、贅沢な育て方だ。」
なぜ玉露は高いのか。
理由は単純だ。
手間がかかる。
収量が減る。
失敗すると全部ダメ。
さらに言えば、玉露は一気に売れない。

ワタクシ
「ここでさっきの
 “売れなくても耐える”が出てくるわけか。」
灯大将
「そう。玉露は派手に回転しない。」

日常茶のように毎日大量に売れるわけじゃない。
良さが分かる人に、少しずつ届く。
それでも作り続ける。

灯大将
「つまり玉露は、“待てる生産者”じゃないと成立しない茶なんだ。」

玉露は、飲み物というより体験
玉露は、ガブガブ飲む茶じゃない。
低温で、少量を、ゆっくり。

ワタクシ
「……これ、ほとんど大吟醸の袋吊りの手間と一緒だな。」
灯大将
「だろ?だから呑兵衛に刺さる。」
玉露は、茶と酒の中間にある飲み物だ。
八女が玉露の産地として知られるのは、
この“我慢”と“静けさ”を土地が許してきたからだ。今夜は、知識で一杯。

次回予告
茶と玉露を通ってきた舌で、
ようやく徳利を取る。
八女の酒を呑む夜へ。