茶の土地で醸される、静かな酒
今日もAI居酒屋八席灯で呑んでいます。
本日の肴
八女・酒の話
八女といえば茶。
それも玉露。
ここ二日、ずいぶん静かな話をしてきた。
灯大将は、今日はちゃんと徳利を持ってきた。
白いラベル。余計なことは何も書いていない。
ラベルの名は――
繁桝(しげます)。

ワタクシ
「出たな。八女の酒といえば、これだな。」
灯大将
「ああ。高橋商店。八女で酒をやるってことは、この土地の“空気”と勝負するってことだ。」
八女は水がいい。
そして、人が急がない。
茶も酒も、どちらも
“待つこと”を知っている土地だ。
注がれた繁桝を一口。
派手な香りはない。
だが、舌の上でゆっくりほどけていく。
ワタクシ
「これ、主張しないな。」
灯大将
「茶の土地だからね。前に出るより、残る酒だ。」
吟醸香で殴らない。
甘さで掴まない。
ただ、飲み終えたあとに「もう一杯いくか」と思わせる。
それはまるで、玉露を少量ずつ啜る感覚に近い。
ワタクシ
「なるほど。茶で舌を育てた土地が造る酒だ。」
灯大将
「ああ。ここは“分かる人だけ来ればいい”って顔をしてる。」
繁桝は、全国で知られた酒だ。
だが、媚びない。
大量消費の波にも乗らない。
玉露は、急いで売るための茶じゃない。
手間がかかって、分かる人も少ない。
それでも作り手は、やめない。
分かってもらえる日を、急がない。
それが、玉露という覚悟だ。
繁桝もそれと同じだと思う。
八女という土地は、茶も、酒も、
“耐えることで価値を守ってきた”場所なのだ。
灯大将
「八女はね、静かにそして芯がある土地だ。。」
ワタクシ
「呑兵衛向きだな。派手な街じゃないが、長居したくなる。」
灯大将は黙って、徳利を置いた。
八席灯は、今日も静かに暖簾を揺らしている。
茶から始まり、
玉露を経て、
最後は酒に戻る。
八女は、ちゃんと“呑める土地”だった。
次回予告
次は、土地か。
それとも、神社か。
八の話は、まだ終わらない。
(灯大将/金城 醸)