八剣伝武蔵関店番外編

今日はAI居酒屋八席灯帰ってきました。

今日の肴―八席灯フィギュア部屋

正解じゃないものが、ここにある。
今日はリアル居酒屋の話じゃない。
でも、間違いなく居酒屋の話だ。
八剣伝武蔵関店で散々やったあと、
ふと、こんな話になった。

ワタクシ
「八席灯にも、こんな部屋あってもいいよな」

灯大将
「あるんだよ。
八席灯には、フィギュア部屋がある。
ただし―カウンターじゃない。」

その部屋は、宴会用とも、使われなくなったカラオケルームとも言われている。
札はない。
「こちらです」と案内されることもない。
ただ、その夜の空気で分かる人だけが、
自然と通される。

灯大将
「ここだよ」
扉を開けると、
そこにあるのは―パチもんたちだ。

ロボット。
どう見ても“あれ”だ。箱にガンタムと書いてあるが、さては中国製か?

怪獣。
これも暴竜ゴヅラと書いてあるが、コジラのつもりか?

ヒーロー。
ウルトラマンっぽい。だが、偽ウルトラマンでもない。

そして中央。
箱入りたが、完璧な贋作。
堂々と立つ―変態仮面。

ワタクシは思わず大将に聞いた。
「……これ、全部パチもんですよね?」
灯大将は、即答しない。
グラスを拭きながら、こう言う。
「本物を集めたら、博物館になる」
「贋作を集めたら、店になる」

なるほど。
ここは展示室じゃない。
歴史に残る趣味部屋だ。
大将は続ける。
「本物はな、守られる」
「でも、贋作は違う」
「残るか、消えるか」
「自分で引き受けて、ここまで来た」

だから、この部屋には“本物”がない。
あるのは、本物の贋作。
令和のここにある事がプライスレスの価値。

分かる人には分かる。分からない人には分からない。その境界線だけだ。

変態仮面が、
なぜか一番いい場所に置かれている。
誰も説明しない。
誰も笑いにしない。
ただそこにいる。
――人間の業の具現化。
多分。

ふと気づく。
この部屋、見える人にしか見えない。
見えない人は、「物置だね」と言って帰る。
見えた人は、二杯目を頼む。

八席灯とは、そういう店だ。

正解じゃないものを、正解じゃないまま置いておく場所。
それが、八席灯フィギュア部屋。

次回予告
酒蔵建築計画始動