豊国 純米吟醸酒 寿音王 【山形県】

以前に「呑美多」などの「DORA series(銅羅シリーズ)」のお酒を何本かご紹介しましたが、今回は「お清めシリーズ」の一本です。
ネーミングはやはり国民的青ネコの漫画にインスパイアされているのですが、読みは「すねお」じゃなくて「じゅおんおう」のようです。

山形県寒川江市の1715年創業「千代寿虎屋株式会社」が、寒河江川の伏流水と、灌流域で栽培される復古米豊国を使って醸すお酒です。

寒川江市は、ラフランスやサクランボなどをふるさと納税でいただいたりしたことがあります。
米作りや果物栽培が盛んなようですね。

米(山形県産)
米麹(山形県産米)
原料米 豊国
精米歩合55%
アルコール度15度

口に含むとわずかに酸味を感じますが、すっと退いて行き、わずかな辛味、すっきりした甘みを感じます。
酸味、辛味, 甘みの後味の非常にバランス良いお酒ですが、今回は少ししょっぱいお話しを…。

コロナ禍における日本酒がおかれた状況のお話しです。
以下は、農林水産省が発表している令和4年10月の「日本酒をめぐる状況」からの引用です。

近年の日本国内のアルコール飲料の出荷量は、日本酒, 焼酎, ビールは減少、チューハイなどのリキュール, ウイスキーは増加傾向にあります。

日本国内の日本酒出荷量は、昭和48年をピークに徐々に減少を続け、特に令和3年には新型コロナ感染症の影響などを受けてピーク時の1/4ほどに減少

日本酒全体の出荷量が減る中、平成27年以降60万kl以上の出荷量を維持していた特定名称酒(吟醸酒, 純米酒など)もコロナの影響で減少しています。

日本酒の海外輸出量は平成後期より徐々に増加していたものの、令和2年にはやはり新型コロナの影響で減少。
令和3年には幸いなことに回復傾向を認めますが、日本酒全体の出荷量に占める輸出量の割合は令和3年でも7.3%と1割にも満たない状況です。

日本食ブームに乗じ日本酒も海外で!とは言え、やはり日本人が日本の国酒である日本酒を「国内で」「飲食店で」「家庭で」消費しなければ、日本の文化, 食文化である日本酒の危機を救えません 

東京商工リサーチが’21に発表した’20年の酒類卸売業, 小売業の休廃業と解散件数は、コロナで時短営業, 酒類提供の禁止など飲食店の苦境が続き、その余波が直撃し過去10年で最多とあります。
酒造好適米の生産量も令和2~3年と急減しています。

コロナ以前も日本酒の消費量は漸減していたところに、コロナの追い討ちです。
コロナで酒を出す飲食店が困る、日本酒が売れない、酒屋も困る、酒造も困る、酒米農家も困る…と言うことです。

今回の日本酒「お清めシリーズ」を協力販売していただいていた酒屋さんも残念ながら昨年中に閉店となったようです。
しかし、この状況を何とかせねばと立ち上がった方がいます!
このブログを通じて知りあった、常日頃から日本酒の将来を憂いて日本酒振興に尽力する方が、準備中です。

美味しい日本酒を呑んで日本酒の今〜未来に投資しましょう