れいざん 呑美多 DORA series【熊本県】

「れいざん」は熊本県は阿蘇の高森町にある山村酒造合名会社のお酒です。
熊本の飲食店には、同じく熊本の「香露」と並んで必ずと言って良いほど置いてある定番のお酒です。

「DORA series(銅鑼シリーズ)」は、10年ほど前から始まったプロジェクトで、東京五輪で外国から日本を訪れた方々に日本酒に興味を持ってもらうため、各地の酒造と協力し、知名度のある「ドラえもん」からヒントを得て命名をした日本酒を作ってもらったというもののようです。
東京五輪は日本酒を世界の人に広める良い機会だったと思われますが、コロナで何もかもが上手くいかなくなりましたね…。

今回は、日本酒で世界征服を企む以下の2つのサイトのドンより「呑みレポしろ」と指示を受け、熊本県人だからと「呑美多」をいただきました。

呑みに来たというのなら是非もない。悔いを残さず呑んでゆけ!
國酒でお清め

いわば、死ね死ね団のヒラ戦闘員が、ショッカーの首領から仮面ライダーを倒すお手伝いをしてくれと直々にお願いされたようなものです。
私に呑みレポとは、少なくとも人を見る目はないのかもと思いましたが、ありがたく呑ませていただきました。 感謝です。

呑美多

アルコール度15% 国産米, 国産米麹 精米歩合65%

白を背景にするとようやくわかる程度の淡黄色です。 裏ラベルには、「のみかたオススメ」として「冷酒(○)、ひや【常温】(○)、燗(○)」とあります。

日本酒は様々な温度で異なる味わいを楽しめるお酒です。 その温度は、以下のように5℃単位で細かく分類されています。

飛び切り燗:55℃以上
熱 燗  :50℃前後
上 燗  :45℃前後
ぬ る 燗:40℃前後
人 肌 燗:35℃前後
日 向 燗:30℃前後
常温 (ひや):20℃前後
涼 冷 え:15℃前後
花 冷 え:10℃前後
雪 冷 え:5℃前後

純米酒や本醸造酒は燗酒に向くと言われています。
コハク酸やアミノ酸などの豊富な旨味成分が、温めるとより美味しく感じられるからです。

ちなみに「ひや」=「冷酒」のイメージがありますが違います。
その昔の冷蔵庫のない時代には「燗」で呑むか「常温」で呑むかの二択でした。
「燗」をつけた温度以外を「ひや」と呼びます。
冷蔵庫などで冷やした冷たいお酒を「冷酒」と呼びます。
日本酒にこだわったお店以外では、通ぶって「ひや」と言うと「冷酒」が出てくるかもしれませんので、はっきり 「常温で下さい」と言ったほうが良いでしょう。

と言うことで、「呑美多」は純米酒だし、一升瓶で量もあったし、色々と温度を変えて呑んでみることにしました。

◉ 常温(ひや)(20℃前後)

まずは常温(23℃程度でした)で呑んでみました。
わずかにリンゴのような香りがします。
苦味, 酸味, 辛味を前面に感じ、最後に丸みのある甘味を感じます。

◉ 花冷え(10℃前後)

冷蔵庫で冷やします。
線が細い爽やかな香りをわずかに感じます。
苦味, 酸みが穏やかになり、甘味も控えめになった印象です。
全体にしまって味のバランスが良くなったように感じます。

◉ 日向燗(30℃前後)

少し燗をつけてみます。
爽やかなという印象が無くなり、いわゆる燗酒の香り(悪い意味ではない)を感じるようになります。
口に含むと、30℃はほんのり温かく感じます。
酸味がさらに前面に出てくるも、丸みのある酸味です。
全体的にまろやかな味になります。

◉ ぬる燗(40℃前後)

より一層、燗酒の香りを感じます。
力強い日本酒の香りです。
30℃の日向燗で感じた味わいが一層引き立ちます。

◉ 熱燗(50℃前後)

シャープな酸味のある香りになり、辛味が少し増し、のどごし, キレも良くなる印象です。
濃い味のつまみとの渡り合える主張の強い力強い味です。

◉ 番外編(みぞれ酒)

さすがの日本酒も冷凍庫に入れておくと-10℃ほどで凍ってシャーベットのようになってしまいます。
本来はゆっくりと振動を与えずに冷却し過冷却の状態にして、杯に注ぐ衝撃で目の前で液体の日本酒が凍りつくという見た目でも楽しむもののようですが、冷凍庫に入れておくと扉の開け閉めの振動などで普通に凍ってしまいました。
酸味が残り、わずかな苦味も感じるものの甘みは全く感じません。
アルコール感を前面に感じます。
冷たく、夏向きです。
甘味を補うためにかき氷のシロップなんかをかけると意外に大人のかき氷になるのかもしれません。

温度によって様々に味わいが変わります。
やはり冷蔵庫で冷やす花冷え(10℃前後)、常温のひや、ぬる燗(40℃前後)で味わうのが手頃なようです。
辛口のお酒が好きな方は、より燗をつけると辛さが際立つと思います。
実際には燗をつけても呑んでいるうちに徐々に常温へと温度は下がっていきます。
ゆっくりと和らぎ水も飲みながら温度変化による味の変化を楽しむのも良いかと思います。

DORA seriesには、他にも色々な酒造とのコラボ酒があるようです。
今回の「呑美多」の他に、可愛くて若いお風呂好きな女子が醸す「雫花」や、俺の酒は俺の酒, お前の酒も俺の酒、「ほげ~」と自身の歌を酵母に聞かせながら音楽で醸す最先端杜氏の「邪威暗」、などもあるようです。
(色々と嘘です)

大正5年創業の東京の酒屋「関町セラー」で取り扱っています。

銅鑼シリーズ
銅鑼シリーズを手に入れるには