雫花 六歌仙 五段仕込み純米【山形県】

今回も以前の「呑美多」や「銅羅左衛門」などのド●えもんにちなんだ名称の銅羅シリーズの一本です。
「雫花」(しずか)ですが、山形の酒造「六歌仙」が手がける「六歌仙 五段仕込み純米」です。
「六歌仙 五段仕込み純米」は、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2022」最高金賞、「全国燗酒コンテスト2020」最高金賞を受賞しています

六歌仙五段仕込み純米「雫花」

アルコール度15%
原材料:米(国産)、米麹(国産米)
精米歩合70%

「五段仕込み」とあります。

酒造りは「一麹二酛三造り」と言われ、麹を造り、酛(酒母)を造り、造り(醪を仕込む)を行います。
蒸米に種麹を撒き、麹菌を繁殖させ麹を造った後、麹+酒米+水+酵母で酛(酒母)を造ります。
この酒母に原料(蒸米、米麹、水)を加えて醪を造り発酵させます。
原料は4日かけて3回に分けて仕込み、これを「三段仕込み」と言います。


酒母には酵母と雑菌の増加を防ぐ乳酸が含まれていますが、一度に大量の材料を加えると、酵母と乳酸の濃度が一気に薄くなり、アルコール発酵も進みにくく、雑菌も繁殖しやすくなるため何段階かに分ける段仕込みを行います。
段仕込みは、室町時代末期には行われていたようですが、当初の二段から徐々に増え、一時は五段まで行われていたようです。
江戸時代初期には三段仕込みが確立しています。

手間暇かけてこの段仕込みを5回、「五段仕込み」を行っているのが、今回の「雫花」ですが、六段~十段仕込みでお酒を造っている酒造もあるようです。
段仕込みを増やすことで、醪の酵母に糖を追加供給してアルコール度数が上がったり、糖を増やすことで濃醇甘口の酒になるとされます。
昔は四段以上の場合には、甘酒, うるち米やもち米を追加することが多かったようです。
六歌仙のホームーページにも五段仕込みの詳細に関しては触れられていませんが、混ぜ物をするとリキュール扱いになると思われますし、原材料も米, 米麹のみですので、三段仕込みと同じ原料, 工程を繰り返すExtended versionの五段仕込みと思われます。

実際にいただくと、70%精米の純米酒のためか濃厚感があります。
五段仕込みのおかげあってか甘めのお酒に仕上がっています。
米の旨みと酸味も感じる、濃厚旨口甘口です。

同じ「雫花 六歌仙」で段仕込みが違う、三段仕込み, 五段仕込み, 十段仕込みの飲み比べセットとかあると面白そう